リバプールの「背番号8」ナビ・ケイタのサッカー人生は始まったばかり
今回は、今季からリバプールに加入し、早速ウェストハムとの開幕戦でマンオブザマッチに選出された“ ナビ・ケイタ ”のことについて書いていきたいと思います。
ナビ・ケイタは1995年2月10日生まれの23歳。ギニアの首都コナクリ近くに位置するコレヤ出身。子どもの頃は貧しい環境で育ち、ボールもコートもスパイクも無い中でストリートサッカーを楽しんでいました。
ストリートでしかサッカーを経験していない状況で、16歳の頃にはトライアルを受けることを目的にフランスに渡り、その2年後にはフランスリーグアン第2部の「FCイストル」でプロデビュー。
翌年の2014年には現在日本人の南野選手が所属することでもお馴染みのクラブ、オーストリア・ブンデスリーガの「FCレッドブル・ザルツブルク」に移籍しました。ザルツブルクでは81試合に出場し、所属したシーズンは2年連続(2014-15、2015-16)でリーグ優勝とカップ戦優勝の2冠を獲得。
移籍した当時は現在「リバプール」でチームメイトであるサディオ・マネも所属していました。マネの存在には大きな影響を受けたそうで、プライベートでも仲が良いことから「兄同然の存在」だと後に語っています。リバプール移籍にあたってもマネと頻繁にやりとりし、選手や監督、ファン、街の様子など様々なことについて尋ねたようです。
ザルツブルクでの活躍が認められたことで、2016年にはドイツ・ブンデスリーガ、ザルツブルクの姉妹クラブでもある「RBライプツィヒ」へクラブ史上最高額となる1500万ユーロで移籍。
移籍した初年度から31試合に出場し、中心選手として活躍しました。そのシーズンは2部からの昇格クラブながら大躍進の「2位」となり、UEFAチャンピオンズリーグの出場権を獲得。
ライプツィヒが2位になったことが世界中に大きなインパクトを与えたことはサッカーファンであれば知るところだとは思いますが、このことがナビ・ケイタのサッカー人生の大きな転機になったことは言うまでもありません。
ライプツィヒに移籍したわずか1年後の2017年8月29日には、翌シーズンからリバプールへ移籍すると発表されました。移籍金は約5300万ユーロ(約78億円)。
移籍金も高額ながら、長年クラブの象徴だったジェラードの背番号「8」を渡すことをクラブが決定したことは、リバプールファンにとっては何よりも衝撃的な発表でしたね。
ストリートサッカーしかやったことがない選手がリバプールへの移籍が決まるまでの期間はわずか6年です。貧しい環境で育った選手がシンデレラストーリーを歩んでいく姿はサッカー界ではよくある話ではありますが、その中でもナビ・ケイタはズバ抜けたスピード出世をしているように感じます。
リバプールの公式戦デビュー試合では早速のマンオブザマッチ。「高額な移籍金」「背番号8」。大きな期待を背負った中での大活躍でした。ナビ・ケイタのサッカー人生はまだまだ始まったばかり。今後のリバプールの柱となる選手に育ってくれることを大いに期待しています。